「衛生管理計画」とは、ひとことで言うと、
飲食店などの食品事業者が、食中毒を防ぐために作る「お店の衛生ルールの計画書」
のことです。
「いつ・誰が・何を・どうやって」衛生管理を行うかを具体的に決め、実行するための「安全のレシピ」や「やることチェックリスト」のようなものです。
なぜこの計画が必要なの?
2021年6月から、食品衛生法にもとづく「HACCP(ハサップ)」という衛生管理の考え方が、原則すべての食品事業者に義務付けられました。このHACCPを進める中心となるのが「衛生管理計画」の作成と実行です。
漠然と「衛生的に気をつけよう」ではなく、具体的なルールを決めて実行・記録することで、食の安全を確実なものにするのが目的です。
計画には何を書くの?
大きく分けて2つのことを決めます。
1.基本的な衛生管理(お店を清潔に保つためのルール)
日々の基本的な衛生管理について、具体的なやり方を決めます。
- 手洗い:いつ、どのように洗うか?
- 健康チェック:従業員の体調をどう確認するか?
- 清掃・消毒:調理器具や冷蔵庫を、いつ、何を使って掃除するか?
- トイレの清掃:いつ、どのように掃除するか?
2.特に重要な衛生管理(食品の安全を守るためのルール)
メニューをグループに分け、それぞれで一番重要な管理ポイントを決めます。
- 【加熱するもの】 (例:ハンバーグ、唐揚げ)
→ 中心までしっかり火を通す(中心温度75℃で1分以上など)ことを決め、どうやって確認するかを決めます。 - 【冷たいままのもの】 (例:サラダ、刺身)
→ 菌が増えないよう、低温で管理する(10℃以下など)ことを決め、どうやって温度を確認するかを決めます。
作ったら終わりじゃない!「記録」が大切
計画を立てたら、毎日その計画通りに実行し、「ちゃんとやりました」という証拠を記録に残す必要があります。
専用のノートやチェックシートを用意し、「冷蔵庫の温度OK」「手洗いOK」のように、簡単なチェックとサインをするだけでも大丈夫です。この記録が、安全を証明する大切な書類になります。
まとめ
衛生管理計画は、お店の安全性を高め、お客様と従業員を守るための実践的なツールです。厚生労働省や地域の保健所が、業種ごとの手引書やテンプレート(ひな形)を用意しているので、初めての方でも比較的簡単に作成できます。










